酒のつまみにうんちく
今や立派に成長した「ハイサワー」、でも会社はちっちゃくって驚かれます
日本初のレモンサワーを作る焼酎用の割り材として誕生した「ハイサワー」。生まれは東京・目黒です。その「ハイサワー」を販売する博水社(はくすいしゃ)の本社は今も目黒・武蔵小山にあり、街中の住宅街に佇んでいます。多くの方は「え!?ここがあのハイサワーの誕生の地!」と驚かれます。そしてもうひと驚き、目を丸くされます、「こんなちっちゃな会社なんですか???」って。みなさん、もっと大きな会社を想像されてるみたいですね、笑。なにをかくそう、社員は十数人。はい、小所帯で頑張ってます!ちなみに「博水社」の社名は、清涼水飲料(水)を広く知らしめる(博)を由来としています。
「はくすいしゃ」と言うと、クリーニング屋さんと勘違いされることもあります、笑。この機会に、みなさんも、「博水社(はくすいしゃ)」を覚えてくださいね。
ハイサワー、商品名の由来は、吾輩が作ったサワーで、“輩サワー”
「ハイサワー」は“我輩が作ったサワー”で、“輩(ハイ)サワー”。これが、商品名の由来です。商標登録も「ハイサワー」ではなく「輩サワー」で取得してます。二代目の先代社長が開発した商品なのですが、と~っても苦労を重ねた末に生み出した商品なんです。(開発秘話はコチラから)。苦労に苦労を重ねた分、とても思い入れが深くて、そして、会社の未来を託した大きな夢のある商品でもあったんです。そんなものですから、自分が考え世に出した物なのだ!という強い思いが人一倍あって、そんな気持ちを込めたんだそうです。そして、気合を入れて、筆を使ってえいやって、書いた「ハイサワー」の文字が、いまの商品ロゴの原型です。
ひょっとしたら、「俺サワー」になっていたかも、、、汗
「輩サワー」となるまでにも、いろいろあったそうです。もともと世界共通で、ウイスキーなどのお酒を炭酸などで割ったカクテルに、「○○サワー」というものがあったものですから、「サワー」を入れることは決めていたんですね。そこに「日本のカクテルを自分が考えだした!」の想いをどうつけようかと、10人に満たない社員であれこれ悩んだそうです。今だから笑えてしまうんですが、当時は真剣に「俺サワー」「我サワー」、社長の名前の「田中サワー」なんてのも候補にあったそうです。でも、どうもしっくりこない。そんな折、二代目がふと、かの文豪の名作「我輩は猫である」を思いだし、「輩サワー」って。一番男らしく、かっこいい、語呂も良いという理由で、社員一同で、「決定」となりました。「俺サワー」にならなくて、、、良かったぁ~。
えっへん!
実はこの「ハイサワーレモン」、諸説あるんですけど、現在も居酒屋で親しまれている「レモンサワー」(関東)や「レモンハイ」(関西)の語源とされています。えっへん!
老舗のこだわり「レモン」にあり、あと「白ワイン」にもあり
「ハイサワーレモン」の最大の特徴は、発売当初からとってもとってもこだわっているレモン果汁です。ずーっとかわらず、イタリア・シチリア島の契約農家で手摘みされた上質な”真んなか搾りレモン(リンク)”を使っています。これ、老舗のこだわりです。レモンのド真ん中だけを搾っているので、果皮のえぐみや雑味が入ってないんですね。だからみなさん、「これだよ、ハイサワーだからこの味だよ」って評価してくださいます。だから一切、妥協せず、ずっと、この贅沢なレモン果汁を使い続けてます。
そして、そして、もう一つ、味の決め手となっている隠し味のヒーローが存在します。みなさん、飲んで、お気づきになりますか?味わって、味わって、飲んでくだされば、きっと分かるはず。今晩は、お酒を入れずに、ちょっと、ゆっくり、舌の上で転がしてみてください。「ハイサワーレモン」って、レモン果汁で酸っぱいんですけど、結構コクがあるんです。これ、何を隠そう、隠し味にごくごく微量の白ワインを加えているからなんです。アルコール飲料?と勘違いされないでくださいね、
ハイサワーはお酒ではなく、れっきとした清涼飲料水です。
白ワインはほんのわずかな隠し味ですので、アルコールは0.2%以下。なのでお酒が苦手な方も、そのまま飲めます。そしてこの白ワインを入れるというこのアイデア、普段、料理をしない男性ではなかなか出るものではありませんよね。例えば、自分でめんつゆ作るなら隠し味に日本酒などなど。そうなんです、これはハイサワーを世に生んだ博水社2代目社長の妻(私の母)のアイデアでした。料理がとっても上手なお母さんのアイデアでした。
終電と終点、電車の中で車掌さんに言われるのはどっち?
若い方はご存じないかも知れませんが、「ハイサワー」を良くご存知の方は、「ハイサワー?知ってるよ!あの『わ・る・な・ら』でしょ?あの『お客さん終電だよ!』のCMでしょ?」っておっしゃってくださいます。実は発売当初に放映したハイサワーのCMで、人気を博したシリーズがあったんです。「わ・る・な・ら・ハイサワー」という耳覚えの良いサウンドロゴとともに、寝てる旦那さんを奥さんが家なのに「お客さん、終点だよ!」って起こすコミカルなCMで、これがウケて、「ハイサワー」は大ヒットしたんです。そのイメージが皆さん、強いんですね。
でも、ちょっと、よく読んでください。よくみなさん「お客さん終電だよ!」とおっしゃるのですが、これ、間違いで、正しくは「お客さん、終点だよ!」なんです。酔っぱらって電車で寝てしまって、終点までぐーすかやってると、車掌さんが起こしに来られますよね?「お客さん、終点だよ!」って。CMはそれをなぞらえて、酔っ払って机で寝る旦那さんに、奥さんが「お客さん、終点だよ!」って言うと、旦那さんは「やばい!」と思って、がばっと起きるという内容でした。そして、この内容、2代目社長の実体験をヒントに制作されたそうです、笑。
いったい、今まで、どれぐらい飲まれているのだろう?
「ハイサワー」って、いったい、これまでどれぐらい飲まれているんですか?って、新聞社の方から取材されたことがあります。新聞社の人って、面白い質問されますね~笑。正直なところ、そんなこと、あんまり気にしてませんでした。で調べたんです。そしたらなんと、1980年の発売以来累計販売数は15億本※を突破(2012年10月時点)!。私も驚きです。皆さんに愛飲されて、30余年。本当に感謝感謝です。え???なんですか???最新のデータは?ですか?。そうですねぇ、、、また調べないと、、、汗。
※15億本:200ml瓶換算、炭酸入りのみで集計。原液(濃縮)タイプを含むとさらに数字が上がります
「わ・る・な・ら」が「わ・ら・な・い」を発売
先程CMサウンド「わ・る・な・ら・ハイサワー」についてお話ししましたが、「ハイサワー」は焼酎などお酒を割る商品ですので、“わ・る・な・ら”です。常にお酒を割る、お酒の名脇役、それが「ハイサワー」の「ハイサワー」たる所以です。もちろん、そのまま飲んでくださる方もいらっしゃいますし、「今日は休肝日」って人が“エアー・サワー”を楽しんでくださったりもしてます。そして、お店でお客さんを接客するママたちもそのまま飲んで、酔ったふり、なんてことは秘密ですけど、笑。長くなりましたが、とはいえ、ハイサワーって、「わ・る・な・ら」なんですね。そんなハイサワー屋の創業85周年となる2013年、我が社に一大革命がお起きました。「わ・る・な・ら」の会社がなんと、「わ・ら・な・い」ハイサワーを出したんです。当社初のハイサワーにお酒の入ったアルコール飲料「ハイサワー缶」です。上質な“真んなか搾りレモン”の酸味をガツ~ンと味わえる、果汁たっぷりの商品です。是非一度、ご賞味ください!地元、東京目黒の提灯がトレードマークです。
「博士」の「博」に翻弄される、我らがハイサワー屋「博水社」
そうそう、「はくすいしゃ」と言うと、クリーニング屋さんと勘違いされること、冒頭でお話ししてますが、最後にその「博水社」のロゴについて少し。「博水社」の漢字のロゴマークですが、「博」の文字の右上に、ハート形のマークが飛んでますよね?。これ、「ハイサワー」の“みずみずしさ”や“しずる感”、炭酸の“シュワシュワッ”とした泡立ちを表現してます。でも、もう一つ理由が、、、。「ハイサワー」にはいろんな取引先の皆様がいらして、領収書や請求書をもらう際、会社名を伝えるのに「博士の“博”に、水に、会社の“社”です」と言うと決まってみなさん、「博の字って、右上に点がつくんだっけ?」って、笑。そりゃ、そうですよね、我々は慣れ親しんでますけど、普段はあまり使う漢字でもないから、“点”があるなしなんて、どっちがどっちだか、分かんないですよね。でも、あんまりに毎日のように聞かれるものですので、それじゃあ、えいっ!、ということで、“点の部分を目立たせた”なんてオチがつくのも、実際のところなんです、笑。